エニワンチョコのこだわり② 「製法の話 一般的なチョコレートの製法と、どこが違うの?」
エニワンチョコのこだわりや、チョコレートに関する様々な情報をお届けします。
チョコレートづくりを変えていく新技術!?
今回はエニワンチョコの製法について、解説します。
そもそも、一般的なチョコレートのつくり方って?
私たちは「誰もが誰とでも、おいしく食べられる」、そんなチョコレートのブランドです。
今回は、エニワンチョコと一般的なチョコレートとの製法の違いについてお話します。
まずはじめに、一般的なチョコレートのつくり方の手順を、下の図の左側にそって、詳しく見ていきましょう。
チョコレートづくりは、まず原料であるカカオ豆の下ごしらえから始まります。
1. チョコレートメーカーやパティスリーでは、カカオ豆を選別した後、ロースターという機械を用いて100 〜140 ℃の熱で、カカオ豆を焙煎。カカオ豆からカカオ特有の香りを引き出します。
2. 次に焙煎したカカオ豆を砕いて、豆の皮(カカオハスク)を分離し、取り除きます。分離された中身を、カカオニブといいます。
3. このカカオニブを機械で摩砕、つまりすりつぶして液体状のペーストをつくります。これをカカオマスといいます。
4. 続いて、カカオマスに砂糖や全粉乳、さらにはココアバターなどを混合します。この時点では、砂糖や全粉乳の粒の大きさが粗く、流動性はあるものの、まだチョコレートといえないザラザラとした状態です。
5. そのため、粗い粒を微粒化しながら、時間をかけて練り上げて、チョコレートの原型をつくります。
6. こうしてできたチョコレートの原型を、温度調整(テンパリング)して、型に充填して、冷却したのち、型抜き・包装され、皆様が見慣れているチョコレートになるのです。
そんなチョコレートづくりの工程の中でも、重要かつ大変とされるのが、工程5の練り上げの作業です。この作業は「コンチング(精錬)」と呼ばれ、かかる時間はなんと、12~72時間。かなりの手間と時間がかかりますが、なめらかな口当たりと、あの特有の香りを持つチョコレートを作るためには、絶対に必要とされる工程です。
そして、そんな一般的なチョコレートとエニワンチョコの製法の違い、それは、そのコンチングを含め、長い時間を要する工程3~5の作業を大幅カットすることに新技術で成功したことなのです。
しかも舌触りは、コンチングをしてないのに、なめらか。一般的な製法のチョコレートに負けない香りと口当たりです。
チョコレートにまつわる長い歴史の中で、この大幅な時短は、今までなかった、画期的な新製法です。
エニワンチョコの「新製法」、その秘密とは……
では、どうしてエニワンチョコは、こんな時短ができたのでしょう。
エニワンチョコが開発した新製法のポイントは2つ。
1つめは、工程3のカカオニブをすりつぶす方法が一般的な方法と大きく異なることです。
一般的なチョコレートの場合、カカオニブに衝撃を加えたり、ローラーで砕いたり、石臼の原理を用いた機械を用いるなど、様々な方法ですりつぶしていきます。
対してエニワンチョコでは、新発明の独自技術を用い、カカオニブを微細な粒子に加工(微粒化)します。しかも、すりつぶす工程に要する時間は30分程度。一般的な製法では、1~2日要する時間を、大幅に短縮できるのです。
2つめは、それが、カカオニブだけでなく、いろいろな素材を10ミクロン程度に微粒化できる技術であることです。
エニワンチョコでは、全粉乳の代わりに使用している白インゲン豆やもち米玄米、そして砂糖も、あらかじめ微粒化した上で、カカオマスと混合します。
ほぼすべての原料を、同じ微粒サイズのもの同士で混ぜ合わせるので、コンチングしなくても、原料が短時間で均一に混ざり合うのです。
このように工程3~5の時間が短縮できるため、カカオの風味を逃さず、深みのある香り豊かなチョコレートがつくれる……
エニワンチョコの技術は、チョコレートづくりに関わる方も驚くような、本当に画期的な技術なのです。
時短でも、美味しく安全に。
さて、このカカオニブを微粒化する新しい技術とは、一体どんなものでしょう。
それは、日本の企業が新たに開発した加水分解技術を応用した技術です。もともとはお米や野菜などの食材を分解して食材の栄養を吸収しやすい状態にしたり、食材の潜在能力を引き出して、食品加工に利用しやすい状態に加工したりする技術で、すでに様々な食品の原材料に利用されています。
この技術で製造される食品素材は、分解の過程で一般生菌、耐熱性のある芽胞菌も含め、菌をほぼ無菌化できているため、衛生的な食品づくりに貢献できるのです。
また、この技術を使えば、これまで工程2で分離し廃棄されてきたカカオハスクも、新しい分野で有効活用が可能に。自然の恵みを余すことなく利用できます。
日本のこの画期的技術を、チョコレートづくりに活用することで、エニワンチョコは誕生したのです。
では、最後に改めて、チョコレートのつくり方の比較表を見てみてみましょう。
エニワンチョコでは、工程3~5を全く新しくすることで、カカオを練り上げる時間と場所が必要となる工程を大幅にカットできました。そのため、例えば小さな工場や小さな店舗でも、様々な素材を使ったバリエーション豊かなチョコレート製品づくりに、挑戦できるようになります。
食べる人だけでなく、つくる人もハッピーになるように。エニワンチョコの技術は、チョコレートづくりを変えていく新技術です。
私たちはこの技術を広めることで、チョコレート界に新しい選択肢を提案したいと考えております。もし興味を持たれたパティシエの方がいらしたら、ぜひお問い合わせください。
次回は、そんなエニワンチョコの美味しさと新技術が創りだす、チョコレートの未来の話になります。